こんにちは。ユウです。
最近というよりも、ずいぶん前から日本語の使い方について気になることがよくあります。
今日は「適用(てきよう)」と「適応(てきおう)」について。
健康保険が適応されます!?
以前からインターネットや雑誌などで病気や怪我の治療に関する記事を読んでいると、「この治療に関しては健康保険が適応されます」というような記述を見かけることがあります。
私としては、「これは『適応されます』ではなく、『適用されます』じゃないの?」と違和感を覚えるのですが、自分の言葉に対する知識や感覚に絶対の自信を持っているわけではありません。
そこで調べてみると…
適応とは
広辞苑によると、適応は次のような意味になっています。
てき‐おう【適応】
1 その状況によくかなうこと。ふさわしいこと。あてはまること。
2 生物の形態・習性などの形質が、その環境で生活・繁殖するのに適合していること、あるいはそう判断できること。現存の生物の形質の多くは適応的であるが、そのすべてが適応しているとは限らない。主に遺伝的な変化についていうが、そうでないものがあり、狭義には後者を順応と呼んで区別することがある。応化。
「この治療に関しては健康保険が適応されます」という使い方について考えてみましょう。
病気の治療を行って、その支払いに関して「健康保険がふさわしい」という意味であれば、「健康保険が適応される」という使い方は間違いではなさそうにも思えますが、ここでは「健康保険を利用することができる」という意味で使われると思いますので、正しいとは言えないでしょう。
むかし見た「ドラえもん」の劇場版で、過酷な環境でも生きられるための秘密道具として「テキオー灯」というものがあったのを覚えていますが、それがこの「適応」ですね。
適用とは
こちらも広辞苑で調べてみると、次のように書かれています。
(法律・規則などを)あてはめて用いること。「新税法を―する」「労災保険の―」
病気の治療などで健康保険の制度を利用するのは、ズバリこの意味です。
健康保険は適用するもの
というわけで、「健康保険が適応されます」ではなく、「健康保険が適用されます」が正しいということがわかります。
まあ、音が似ていて、意味も近いので間違えるのも仕方がないかもしれません。
そう言う私も文章を書く際には間違いのないように気をつけていますが、完璧とは言えません…
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