こんにちは。ユウです。
スマートフォンの料金体系にはいろいろなものがあって、わかりにくいことが多いです。
中には一見おトクに見えるけど、実はぜんぜんおトクじゃないなんてものもあるかもしれません。
契約する際には注意が必要です。
auのアップグレードプログラムEXとは
例えば、auのスマートフォンを契約する際にアップグレードプログラムEXと(iPhoneの場合はアップグレードプログラム EX(a))という制度を利用することができます。
「機種代金のお支払い負担額が最大半額お支払い不要!」という太っ腹に見える制度です。
このキャッチコピーに釣られて飛びついてしまうと、痛い目に遭うかもしれません。
アップグレードプログラムEXの加入条件とプログラム特典
アップグレードプログラムEXの加入条件とプログラム特典は次のとおりです。
加入条件
下記①②の両方を満たす場合
① <アップグレードプログラムEXの場合>
4G LTEスマートフォンを割賦契約48回でご購入と同時に本プログラムにお申し込み
② 「ピタットプラン」「auフラットプラン」にご加入
プログラム特典
25ヶ月目以降に機種変更した場合、機種変更翌月分以降の分割支払金のお支払いを免除(最大24カ月分)
つまりは、48回払いで契約して25ヶ月目以降(※)に機種変更をすれば残りの代金を支払わなくてもいいので、最大半額おトクということです。
※13ヶ月目以降であれば機種変更はできますが、24ヶ月目までのプログラム料と機種代金は支払う必要があります。
有料プログラムです
無条件で特典が適用されるなら、これほど美味しいプログラムはありませんが、当然そんなうまい話があるはずもありません。
まず、このプログラムは有料で月額390円のプログラム料がかかります。
特典適用条件に注意
さらに特典適用には次のとおり厳しい(?)条件があります。
①②③すべてを満たす場合
- <アップグレードプログラムEXの場合>
対象機種を12カ月間ご利用後、機種変更
- 機種変更後も「アップグレードプログラムEX/EX(a)」に再加入
- 機種変更した際、旧機種を回収させていただくこと
つまり、
- 機種変更しない限り機種代金は48ヶ月目まで払い続ける必要がある
- アップグレードプログラム EXを利用し続けなければならない
- 端末は手元に残らない
ということですね。
場合によっては390円×24ヶ月分=9,360円は払い損ということになります。
実際、おトクなの?
おトクかどうかは利用状況により異なります。
auを使い続けて最新の端末を発売直後に買い続けるというような人はアップグレードプログラムEXに加入した方がおトクでしょう。
auを使い続けるかどうかわからない、端末を安く買えるなどの場合は加入しない方がおトクかもしれません。
Xperia XZ1の場合
先週(2018年3月)、私がMNP転入で購入したXperia XZ1について、アップグレードプログラム EXを利用する場合と利用しない場合の機種代金とプログラム料の合計額を比較してみると次のようになります。
利用する場合 | 利用しない場合 | |
機種代 | 15,660 | 31,320 |
プログラム料(24ヶ月) | 9,360 | 0 |
合計 | 25,020 | 31,320 |

端末代は31,320円だったので、アップグレードプログラムEXの恩恵を最大限に受けると15,660円となります。
一方、そのためにはプログラム料24ヶ月分を支払う必要がありますので合計9,360円。
アップグレードプログラムEXを利用する場合は合わせて25,050円。
アップグレードプログラムEXを利用しない場合は端末代のみで31,320円。
その差額は6,300円、月額で262.5円。
特典適用条件の厳しさを考えると、この程度の金額の差なら加入しない方が良いと判断しました。
同じXperia XZ1でも通常の機種変更や新規の場合は、アップグレードプログラムEXに加入するという選択もアリかもしれません。
利用する場合 | 利用しない場合 | |
機種代 | 45,360 | 90,720 |
プログラム料(24ヶ月) | 9,360 | 0 |
合計 | 54,720 | 90,720 |
利用する場合としない場合の差は36,000円となかなか大きな額になります。
しかし、さっさと特典を適用した機種変更をしないとその恩恵はどんどん減少していくことになります。
MNP転出なら割引や下取りも
もう一点、アップグレードプログラムEXの利用を考えさせられる点があります。
それは、MNPでドコモかソフトバンクに転出すれば、端末価格の割引や旧端末の下取りなどの優遇策を受けられる点です。
2年後にもそれらの状況が続いているかどうかはわかりませんが、現状(2018年3月24日現在)、例えばドコモでは2年前の機種Xperia Z5を21,384円で下取りしてくれるようです。
店員の言いなりになるのではなく、内容と自身の利用状況などをしっかり理解した上で契約した方が良さそうです。
(2018年4月17日追記)
やはり公正取引委員会も問題と考えているようですね。
他にもたくさん問題点はありそうですが。
公取委、「4年縛り」など携帯販売の問題点を洗い出し(BCN) https://t.co/BpVmORZ5Nc
— ユウ (@u_yamaguchi1) 2018年4月17日
「4年縛り」どころか「永久縛り」?
このauのアップグレードプログラムEXのような契約方法を「4年縛り」と言うようです。
48回払いの割賦契約にするからですね。
しかし、アップグレードプログラムEXの恩恵を受けようと思えば、次の機種変更時にも「4年縛り」の契約をする必要があります。
ということは、実際には4年縛りどころか、「永久縛り」と言うことができるかもしれません。
きちんと説明すれば何の問題もない
私は、アップグレードプログラムEXのシステム自体に問題があるとは思いません。
「永久縛り」であることを理解した上での利用であれば非常にお得な制度であるとも言えます。
問題なのは勧誘の方法です。
きちんと説明して理解を得られた上で契約させるのであれば何の問題もありません。
しかし、私がauショップで受けた勧誘は「みんな加入してますよ。月々の機種代が安くなりますんで。」です。
こんな勧誘方法では後々トラブルにならない方がおかしいと言えるでしょう。
